トークイベント「コロンビアを知ろう」

昨年、私が訳した本『エロイーサと虫たち』と『雨あがりのメデジン』の舞台、南米の国コロンビアは、残念ながら日本ではなじみのうすい国です。
本を読んで、コロンビアのことをもっと知りたいなあと思った方にぴったりのトークイベントがこのたび開かれます。講師は、コロンビア大使館で文化担当をされているノリエ・サカエさん。食と世界遺産を切り口に、普段ほとんど知られていないコロンビアのさまざまな側面を話してくださるそうです。

日時:4月26日(木)14:00~15:30
会場:イスパニカ溜池山王教室(溜池山王8番出口前 アドレスビル1階)
スピーカー:Norie Sakae(コロンビア大使館文化担当) 日西通訳あり
参加費:500円(コロンビアコーヒー付き) 
定員:22名
お申込み:03-3630-9711, hola@hispanica.org (イスパニカ)

コロンビアの人々の食生活から、世界の生物種の10%が棲息するという豊かな自然(カブトムシも有名ですね!)、歴史まで、コーヒーを飲みながら、コロンビアの素顔に触れてみませんか。スペイン語を習っている、いないに関係なく、どなたでも参加オーケー。
東京近郊の方、どうぞさそいあってお運びください。私も行きます。
定員が少ないため、申し込みはお早めに!

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エロイーサと虫たち

Eloisas『エロイーサと虫たち』
ハイロ・ブイトラゴ文
ラファエル・ジョクテング絵
宇野和美訳
さ・え・ら書房
本体価格 1300円

おとうさんとふたり、生まれた町をはなれて、遠くの町にひっこしてきたわたし。おとうさんが仕事をさがすあいだ、わたしは学校へ。でも、心細くて、しんぱいで、まるでじぶんが虫になったみたい……。

南アメリカの国コロンビアの絵本。緻密にかきこまれた巨大な虫たちは、こわいもの見たさで、思わず見入ってしまいます。
長く続く政府とゲリラ軍との抗争によって、国内避難民が300万人もいると言われるコロンビア。(避)難民の現状を伝える絵本として、本書はラテンアメリカの国連難民高等弁務官事務所の支援を受けて、メキシコで特別版が出版され、ラテンアメリカ各地で子どもたちに配布されています。

「やすみじかんは なかなか おわりません」のシーンは、訳しながら、そうそう、授業時間より休み時間が所在なくて苦痛だった、と幼い頃の転校の経験を思い出したり、長男が保育園をかわったとき、「xxくんはジャングルジムが好きね。外遊びのときいつものぼっているわ」と保育士さんに言われて、せつなかった記憶がよみがえってきたりしました。

「でも、そうやってこの町のことをおぼえました」のページで、虫の店員さんがエロイーサにリンゴをわたすポーズは、『アライバル』(ショーン・タン)へのオマージュとのこと。船が異国の都会につく大きな見開きの場面で、右上に描かれている巨大な像と同じです。

日本ではとてもめずらしいラテンアメリカのオリジナル絵本。在日のラテンアメリカにつながる子どもたちに手わたしてもらえたらと思います。小学生だけでなく、中学生でも感じるところがありそうです。

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鴻巣友季子さんお話とワインの会 〜なぜ翻訳は苦しく愉しいのか〜

スペイン語とポルトガル語を中心に語学スクール(通信・通学コース)を運営しているイスパニカが、すてきなイベントを開催します。スペイン語やポルトガル語で翻訳を仕事にできたら、との夢を持つ受講生が多いけれども、翻訳者の日々の生活や苦労はなかなか知る機会がなく、具体的なイメージがいだけないということから、第一線で活躍している翻訳家の生の声を聞くチャンスを持ちたいと企画したもの。

(以下、イスパニカの告知より)===========
『嵐が丘』を新訳された翻訳家の鴻巣友季子さんをお迎えし、訳書を世に生み出すまでの苦しみ、そしてよろこびをたっぷりと語っていただきます。よその国、自分ではない他者の経験をなぞり、最終的には自分の言葉で語るのが翻訳だと、鴻巣さんはいいます。だから翻訳も時代と共に変化すると。現在取り組んでいる『風と共に去りぬ』の新訳では、スカーレットの言葉が現代にどう甦るのでしょうか? それを生みだす翻訳者の日々は? お話のあとは生ハムとワインで乾杯しながら、ゆっくりと歓談する時間をご用意しています。

【鴻巣友季子さんプロフィール】
翻訳家・文芸評論家・エッセイスト。英文学の翻訳をメインに活躍。2003年『嵐が丘』新訳で注目され、またヴァージニア・ウルフ『灯台へ』でも評判となる。最新刊は『遅い男』(早川書房)。次の新訳は『風と共に去りぬ』。エッセイ集『全身翻訳家』(筑摩書房)等、随筆、対談でも人気。2012年2月18日にNHK総合「ようこそ先輩」に出演。

日時:2012年3月17日(土)  14:00-16:45
場所:新橋駅前ビル1号館4階 (フィルポート)
   JR新橋駅汐留口1分
参加費:3,500円(一般) 
    3,000円(イスパニカ在校生・元受講生)
定員:80名 
主催:イスパニカ http://www.hispanica.org
お申し込み:hola@hispanica.org 
   tel. 03-3630-9711 fax. 03-3630-9717
===============

先日NHKで放映された「ようこそ先輩」では、シルヴァスタインのThe missing piece(ぼくを探しに)でとてもすてきな授業を展開なさっていた鴻巣さん。
私もスタッフとして参加しますので、とても楽しみにしています。
めったにない機会です。ご興味のある方、ぜひぜひご参加ください。

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アリアドネの糸

111_2『アリアドネの糸』
ハビエル・ソビリーノ文
エレナ・オドリオゾーラ絵
宇野和美訳
光村教育図書
本体価格 1500円

お父さんに叱られて、家をとびだしたアリアドネ。何気なくポケットに入っていた糸だまをとりだし、ポーンとけりました。糸はほどけて、木にからみついてブランコになり、綱渡りの綱になり、傘になり……。自在に形をかえる糸で遊んだアリアドネが最後に行きついたのはおうちの前。こんがらかったアリアドネの心の糸は、無事ほどけるのでしょうか。

幼稚園に行くか行かないかのころ、暗くなる前に帰ってきなさいと言われていたのに、夢中で遊ぶうちに気づくとあたりが夕闇に包まれていて、あわてて帰ったものの、「暗くなる前に帰るやくそくだったでしょ。帰りたくないなら、お外の子になりなさい」と、母にしめだされ……心細かったそんな思い出が、訳しながらふっとよみがえってきました。
シンプルながら奔放な線と大胆な余白で、子どもの悲しみに静かによりそうオドリオゾーラの世界をお楽しみください。

編集担当のYさんが苦労されていたのが紙。「原書と同じような紙がなかなかないんです!」と、白さの加減とインクののり具合(しずみ具合?)を確かめながら、さんざん選んでこの紙になりました。印刷のことは編集者さんにおまかせなのですが、そうやって少しでもよい本にしようと尽力していただけるのはとてもありがたく、うれしいことでした。

昨年後半から年明けまで目の回るような日々が続き、久しぶりのブログになりました。
ご感想など、どうぞお寄せくださいね。


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2011年下半期の仕事

<翻訳>
アルフレド・ゴメス=セルダ著/鴨下潤挿絵『雨あがりのメデジン』(鈴木出版)2011.12
ハイロ・ブイトラゴ文/ラファエル・ジョクテング絵『エロイーサと虫たち』(さ・え・ら書房)2011.9

<ほんのちょこっと執筆>
中川素子・吉田新一・石井光恵・佐藤博一編集『絵本の事典』(朝倉書店)2011.11
(pp.248-249 スペイン の項目)

<雑誌>
・ミランフ洋書店 ただいま開店中(イスパニア会会報第39号、pp20-21)
・知られざる一面に光を当てる スペイン南部の文化史、社会史、大衆文化―『集いと娯楽の近代スペイン』書評(週刊読書人 2011年11月25日号)
・ マイノリティーの叫び―スペイン語圏―(日本児童文学9-10月号 特集翻訳の舞台裏)
・Simón el bobito まぬけなシモン (NHKテレビでスペイン語 9月号巻末Leer y cantar)
・子どもの本で日本とラテンアメリカをつなぐ(日本児童文学7-8月号 児童文学のとなり)

1年を通して見ると、翻訳書は5点出版されましたが、そのうち『侍とキリスト』は5年前に訳し終えていた作品。お蔵入りかと思っていたものが日の目を見ました。
あとの4点の子どもの本は、どれも自分で見つけ、売り込んで出版にこぎつけた作品。

仕事としては、今年はこのほかに、イスパニカの講師として3本の通信添削講座(「童話で学ぶスペイン語」「児童文学翻訳」「物語を読もう」)と、6月からの講読講座を担当。スペイン大使館のニュースパニッシュブックス の春の回の委員を務め、4月から武蔵野大学非常勤講師として大学生にスペイン語を教えるようになりました。
同じく5月からJBBY(日本国際児童図書評議会)の理事となり、10月のショーン・タン氏来日講演会の実行委員、日本ラテンアメリカ子どもと本の会で12月に「開いてみよう!見てみよう!子どもの本でラテンアメリカめぐり展」の開催なども。

震災を経て、私たちはどんな未来に向かっていくのか、問い返しつつすごした1年でした。

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2011年上半期の仕事

このところ、翻訳のほかにちょこちょこと雑誌に文章を書いていますので、自分のおぼえもかねて紹介いたします。

<翻訳>
 『アリアドネの糸』(ハビエル・ソブリーノ文/エレナ・オドリオゾーラ絵/光村教育図書)
 『侍とキリスト ザビエル日本航海記』(ラモン・ビラロ著/平凡社)
 『フーくんのおへそ』(ラモン・アラグエス文/フランチェスカ・ケッサ絵/光村教育図書)

<雑誌記事>
・「子どもの本で世界をまわる12 スペイン」(全人 5月号 No.750 玉川大学出版部 インタビューを編集部がまとめ)
・La amapola アマポーラ (NHKテレビでスペイン語 4月号巻末Leer y cantar)
・「世界の雑誌ガイドその1」ブラジル、ペルー、スペインの雑誌情報 (むすびめ2000 No.74 2011.3 むすびめの会発行:日本ラテンアメリカ子どもと本の会メンバーと共著)
・Encuentro en Japón (CLIJ 239 enero-febrero: Eliacer Cansino氏と共著)

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アライバル―新世界へ ショーン・タン 作品を語る

Arrivalオーストラリアのイラストレータで絵本作家のショーン・タン氏が来日し、講演会が開催されます。

孤独や不安、自己存在の意味などを問いながら、人生に秘められた美しさ、世界への驚き、人々の築いてきた歴史の1ページなどを確かな筆力で物語るタン氏は、絵本の新たな可能性をひらいた功績を認められ、2011年度アストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞しています。
日本でも、絵だけで展開する『アライバル』がベストセラーになり、この10月には『遠い町から来た話』が刊行される話題の作家がたどりついた新世界とは?

JBBY国際講演会 「こどもゆめ基金」助成事業
”アライバル”―新世界へ ショーン・タン 作品を語る

日時:2011年10月22日(土) 午後6時開演 午後5時半開場
第1部 The Lost Thing上映
     ショーン・タン氏講演
第2部 ショーン・タン氏x柴田元幸氏 対談
場所:津田ホール(JR千駄ヶ谷駅すぐ)
料金:1000円

※氏名(ふりがな)、住所、電話番号を明記し、ハガキ、
FAX、メールのいずれかで下記までお申し込みください。
info@jbby.org
JBBY事務局「ショーン・タン講演会」係
162-0828 新宿区袋町6番 
FAX: 03-5228-0053
http://www.jbby.org/

本年度アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞したアニメーション作品The lost thingも合わせて上映するというぜいたくな一夜。
どうぞお見のがしなく!

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タシエスの新着画像

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今月、ブラティスラヴァで行われたイラストレーション展に行った知人からタシエスの近況を聞き、久しぶりに連絡をとってみたら、今月、バルセロナであった『名前をうばわれたなかまたち』の展覧会のために新しくかいたという絵の画像を送ってくれました。
「自由に送っていいよ」というのは、「みんなに広めてくれ」ということかなと解釈し、こちらにアップ。

展覧会のオープニングでは、2人の教育心理の専門家と、カタルーニャ州政府の教育行政の方、この本の編集者のラウンドテーブルがあったそうです。とてよいイベントだったとのこと。

日本ではさ・え・ら書房で刊行になったこの作品、『子どもの本棚』10月号の複眼書評でとりあげられています。
来月にはギリシャでも翻訳出版されるそうです。

まだ見たことのない方、ぜひ手にとってみてください。詳しくはこちら

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スペイン語圏の絵本に関する講演2つ

この秋、スペイン語圏の絵本について、講演を2つ予定しています。
どちらも申込みが必要です。ご興味のある方、どうぞお運びください。

◎「Hola, amigos! ~スペイン語圏の絵本の魅力と翻訳の世界」
日時: 9月10日(土)午後2時~3時30分
場所: いたばしボローニャ子ども絵本館
定員: 30名
無料
絵本を訳しはじめたきっかけや、翻訳の楽しみ、学習方法、また、スペイン語圏の絵本事情について話します。
※8月31日(水)までに要申込みです。
  申込み方法など詳しくはこちらをご覧ください。

◎多文化連続講座 「絵本で知る世界の国々」
4.多様な民族の声~アフリカ・中南米・スペイン・ポルトガル

日時: 11月14日(月) 午前10時30分~12時30分
場所: 地球市民かながわプラザ1階大会議室(JR 根岸線本郷台駅下車徒歩3分)
『多文化に出会うブックガイド』(読書工房)の編著者である「世界とつながる子どもの本棚プロジェクト」が企画した連続講座の中の1日。
人々・文化・生活に出会える絵本を紹介していきます。

ほかの日程と内容は以下のとおり。
10月3日 広がる・つながる絵本の世界~イギリス・アメリカ・日本 講師:依田和子
10月17日 違っているから素敵、同じだから嬉しい~アジア・中近東・オセアニア 講師:中村裕子
10月31日 絵本に託す思い~ヨーロッパ 講師:神谷友
11月28日 ロシア・旧ソ連邦の絵本&国境を越えた絵本作家たち +おはなし会 講師:依田和子   
参加費:5000円(全5回参加が基本。ただし、欠席の回がわかっている場合は回数分で可)
定員:40名(先着順)
※9月20日までに要申込みです。
申し込み・問い合わせ: 依田 tel&Fax 045-894-0054 / 中村 ciaoyuko@sd1-duplex.bb4u.ne.jp
主催:かながわこどもひろば

板橋は、「翻訳」を中心にした話です。ラテンアメリカにまつわる絵本『むこう岸には』、『ポインセチアはまほうの花』、『ペドロの作文』、9月刊行の『エロイーサと虫たち』翻訳の舞台裏についてもふれる予定。
神奈川の区分は「なんだろ、これ?」と思う方もいるかもしれませんが、大航海時代に大西洋をとりまいて広がった新世界が範囲です。お楽しみに! 

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2011イタリア・ボローニャ国際絵本原画展

Princesa_noche板橋区立美術館で、夏恒例のボローニャ国際絵本原画展が開催されています。20カ国76人(組)の全入賞作品を公開。

会期:~2011年8月14日
時間:9:30~17:00
板橋区立美術館 アクセス詳しくはこちら

スペインの絵本に関心のある方に注目は、特別展示はフィリップ・ジョルダーノ。SM出版賞受賞作の絵本La Princesa Noche Resplandeciente (かぐや姫・SM出版刊)の原画とスケッチが展示されています。
竹取物語をテーマにした絵本をつくるにあたって、「日本に滞在してストーリーやモチーフを取材する一方で、個人的な表現や自由な解釈を積極的に取り込んで製作しました」との紹介文。
どんなかぐやひめがとびだすかは、見てのお楽しみ。

講演会やイベントも充実。(敬称略)
連続トーク「絵本の力」 コーディネーター:広松由希子
7月24日(日) 「絵本は今―編集者の声」
木村真(学研編集者)/筒井大介(イースト・プレス編集者)/永牟田律子(童心社編集者)

7月31日(日) 「作家が考える―絵本のもつ力」
なかがわちひろ/村上康成

8月14日(日) 「絵本と社会」
佐々波幸子(朝日新聞記者)/アーサー・ビナード(詩人)/松本猛(絵本評論館・ちひろ美術館顧問)

入選作の全点展示はみごたえがあり、昨年も、さまざまな挑戦に、世界の若手イラストレータの熱さ、ユニークさをひしひしと感じました。今年はどんな驚きが待っているでしょう。楽しみです。

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